第24章 手紙
しばらく案内された談話室で外でリハビリの途中の男を眺める。倒れても倒れても起き上がりを繰り返す姿は調査兵団そのものだ。
スタッフらしき女もいるが、手は貸さない。本人が納得できるまで、または今はこれ以上無理と判断するまでは見守る。とティアナから聞いたことがある。
ここは、静かで穏やかに見えるがそうでもない。みな、自分と戦っているのだろう。地下とは違うと感じたのは、これか。
「リヴァイ?!どうしたの!」
物思いに耽っていると突然ティアナが飛び込んできた。ユンカーに言われ慌ててきたのか、驚きのあまり声がでけえ。
「エルヴィンのお使いだ。」
急すぎて何かあったのかと思ったと心配そうな顔から笑顔に変わる。
「お使いは終わったの?」
「ああ。」
「そっか、お疲れさ、、お茶入れてくるねっ!!」
落ち着きのない奴だ。それだけ驚いた。ということなのだろう。口元に手を当て口角が上がっているのを隠す。
バタバタと出ていったティアナは美味い紅茶を(茶葉もいいものなのだろう)淹れて戻ってくるだろう。
ああ、そういえばティアナに菓子を買ったんだ。紅茶と一緒に楽しんでくれるだろうか。
湯を沸かして紅茶を入れて戻るとなると、時間がかかるかもな。
俺はここではいつも待ってばかりだな。
苦笑いしているとティアナがいつの間にかトレイにティーセットを乗せて不思議そうに俺を見てる。
「リヴァイ?どしたの?変な顔してたよ」
「おい、人様の顔を変とか言うんじゃねえよ」
「ご、ごめんなさい。初めて見る表情だったから、つい。」
つい。って何だ。舌打ちが漏れるとティアナはいつものリヴァイだ。と訳の分からん理由で笑っている。
紅茶を注いだカップを俺の手前に置いて、自分の分も注いでいる間に、買った菓子をテーブルに出す。
目を丸くしてるティアナの表情に買ってよかった。と思う。
「茶請けだ。」
「ありがとう!美味しそう!」
俺には甘すぎそうだが、こいつは好きそうだ。
一つティアナの好きなものが分かった。
休憩はまだ先の時間らしかったが、ユンカーに促されたそうで、そこで始めて俺が来ているのも聞いた。との事だった。
お互い相性は良くないだろうが、気を使って時間を作ってくれたのはありがたい。