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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第22章 会えない二人



「もう少し様子をみよう」

「犠牲者が増える前に何とかなればいいけどね」

背を向け手をヒラヒラと振りながらハンジは出ていった。

リヴァイの荒み具合がティアナに関係していたとしても、本部と第3医療隊の場所は離れている。行き来する事すら、あまりない。
殆どが報告、要請などだ。仮にティアナが本部に戻ったとしても仲違いしているのであれば逆効果にも成りうる。
今は静観しつつ対策を講じなくては。






「おい、てめえ。ふざけてんのか」

「はあ?いちいちうっせえんだよ、いくら腕っ節がいいからって偉そうにすんじゃねえよ!」

「リヴァイ!もうやめとけ!」

ザワザワする廊下をミケが通りかかった時、新兵が騒動を知らせた。

またか。そう思いながらリヴァイと複数の兵たちが睨み合い、今にも殴り合いが始まりそうなのをミケは割って入った。

「リヴァイ、こっちに来い。お前らは任務に戻れ」

相手がいなければリヴァイも落ち着くと引き離したが気の立っているリヴァイはミケに突っかかり始めた。

「邪魔すんじゃねえよ」

「いい加減にしろ。俺はお前とやり合うつもりも挑発にのる気もない。」

「…うぜえ」

ミケの反対方向へ行こうとするリヴァイを振り返るように肩に手を置くと、問答無用でミケに殴りかかった。後ろに下がって避けたものの、騒動は更に大きくなっていく。


「おい、おい、マジかよ。やめろ!リヴァイ!!」

騒ぎを聞きつけハンジが駆けつけると一触即発の事態だ。

不穏な空気が張り詰める中、ハンジが叫んだ。

「まったく!女々しいにも程がある!!」

ピクリとリヴァイが鬼の形相でハンジを睨め付ける。

だが怯むハンジではない。

「そんなに気になるなら会って話せばいい、ハッキリさせればいいだろ!何がそんなに気に食わないんだよ!」

「関係ねえ奴が首を突っ込むな」

「はあ?周りを巻き込んでるのはあなただろ。分かった。自分では動けないなら動かすまでだ。リヴァイ行くよ」


ミケにエルヴィンへ外出することを伝えて欲しいと一言だけ言って、リヴァイに目配せする。

「どうすんの、行くの行かないの?ずっとそうしてるつもり?」

集まった野次馬や当事者も置いてハンジはスタスタと歩いていく。
その後ろを無表情でリヴァイは着いて行った。

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