第18章 新天地
「こっちでの生活は慣れた?」
「はい、皆さん良い方ばかりですっかり」
「気難しい患者さんにもティアナは好かれてるんですよ」
「いえ、あれは使いっ走りかと、、それよりもハンジさんもリヴァイもどうしてました?変わりはないですか?」
「そりゃ、もう実験と研究が楽しくてさー、ただ、通常業務でモブリットに怒られてるけどね」
「確かモブリットさんはハンジの副官だったかな?気の毒に。」
「ティアナまで笑っちゃうかなぁー!ひどいよ!でさ、リヴァイなんかは相変わらず無愛想に淡々と訓練してて、、」
「リヴァイさんの名はこちらまで聞こえてきますよ。是非拝見したいものです。」
「機会があればな」
「この茶葉はシュニッツェルさんオススメの茶葉なんだけど夜の寒い日にはミルクティーにすると美味しいから本部帰ったら試してみて!後で茶葉持ってくるね!リヴァイ!」
和気あいあいと三人は色々な話題で盛り上がってるが折角ここまで来たのに不愉快な思いだ。
「ユンカーさん、お話し中申し訳ないのですが…」
「あぁ、すっかり長居してしまいました。リヴァイさん、また。」
一礼をし、ユンカーは爽やかに去っていくとハンジはぐふふと気持ち悪い声を出して、「私もお見舞い行きたいとこあるから、失礼するね!じゃ、後で!」
スっとこちらもどこかへ行ってしまい残るのはティアナとリヴァイのみ。
「上手くやってんだな」
「うん、本部とはまた違った意味で大変だけどね」
「ここでは歌ってねえのか?」
「実は眠れない夜は歌ってる」
クスクスと笑いながら秘密をこっそりと話すように小声でティアナは言ってクッキーに手を伸ばす。
「相変わらず甘いもんが好きだな」
「甘いものは幸せの味だよ、リヴァイもどう?」
「いや、俺はいい。それよりも久々にお前の歌が聞きたい」
「リヴァイの頼みなら断れないなぁ」
「断るなんてさせねえよ」
「じゃ、夜に特等席で。今、良ければ行ってみる?」
「そうだな」
「あ、片付け次いでに部屋に置きたいから、待っててくれる?」
手元にあった手紙をヒラヒラと振りながらティアナに「構わん」と答えるとひらりと部屋に戻って行った。
最後まで席について待つことになったリヴァイは日が入る出窓に腰掛けティアナを待った。