第18章 新天地
ユンカーに連れられハンジと談話室へ案内される間、ハンジとユンカーは同期であること、同期だからか兵団内よりもリラックスし過ぎているハンジの話を黙って聞いていた。
「そこの角を曲がってすぐの部屋です。先にどうぞ。僕はお茶でも用意しますね」
ここでユンカーとは別れハンジの先を歩く。角を曲がったらすぐに部屋の中が見える。
太陽の光が差し込む出窓、長テーブルと丸いテーブルがいくつか。その内の1つの丸テーブルにティアナがいた。
微笑みながら手紙を読んでいて、それはいつかの笑顔より穏やかな顔だった。
「早く入りなよ!」
ハンジの大声でティアナがこちらを見た。
びっくりしたのか瞳を大きくして口は半開きだ。
「ハンジさん!…リヴァイ、?」
会いたかったよー!と抱きつくハンジ越しにティアナはリヴァイを不思議そうに見つめていた。
とりあえず苦しそうな表情になってきたティアナからハンジを引き剥がして「元気そうだな」と言ってみると「リヴァイも」と返されそこにハンジが「なに、なに?2人とも本当はすっげぇ仲良しだったの?!」と騒ぎ立てる。
「ハンジ、声が給湯室まで聞こえてたよ、ほらそこに座って。お茶とラッキーなことにお茶菓子まであった。」
ユンカーが丸テーブルにコトンとトレイからカップを置いて呼びかける。
「ユンカーさん!私が!」
代わって配膳しようとティアナは向かうがすでにセットされ、いいから。と言われる始末。
一番騒いでたハンジもクッションのきいた椅子に陣取り早く早くと急かす。
「お久しぶりです、みんなは変わりないですか?」
ハンジに本部にいる同僚について聞くと煩いくらいに話し出したのでテーブルの下でとりあえず蹴っておいた。
「いっ、てぇー!」飛び上がるハンジにティアナとユンカーは怪訝な顔をしながらも、苦笑いをしている。
ユンカーが気を利かせ、出ていこうとすると直ぐに復活したハンジが同席を求める。
「じゃ、少しだけお邪魔します」
「すみません。お仕事中なのに」
「早めの休憩だよ、気にしない」
ポンっとティアナの頭に手を乗せる。
置いてけぼりのリヴァイの顔をハンジはニヤニヤしながら観察していた。