第18章 新天地
ハンジは手馴れた様子で手続きを進め、リヴァイもそれに倣った。
馬を預け、正面からみると第3医療隊は結構な広さだとリヴァイは思った。もちろん本部とは比べられないが一部隊にしては広く開放的な造りになっている。
「今日はティアナの休みなんだ」
「俺らが来るのは伝えてるんだろうな?」
ここまで来て肝心のティアナには会えませんでした。では本気でハンジを締め上げてしまう。
「だい、大丈夫だよ。」
おい、今コイツは誤魔化しやがったぞ。
無言の圧力をかけ、やたらと早足のハンジの後について行く。
スタスタと歩きながらここがどういうところかを具体的に話してくれる。
すれ違う腕を無くした男や手すりにつかまり立ちしながらゆっくりと歩く人。
説明なんかよりも周りを見れば分かる気がした。
地下街の病んだ奴らに似ているようで似ていない。
「んー、どうしょっかな?」
「何がだ」
「ここの責任者からか、ティアナに会うのが先か、、」
こいつの頭は大丈夫か?俺はティアナに会いに来たんだ。知らねえ責任者なんぞはどうでもいい。
トンっ握りこぶしを手のひらに打ってから名案を思いついたようにハンジは言った
「ティアナ連れてエドんとこ行けばいいんだ、悩んで損した!」
フフフーンと鼻歌歌いながら勝手知ったる場所なのかスタッフセンターに行くとハンジに反応するものが数名。その中から痩せた男が出てきて俺には絶対出来ねえ笑顔で迎えた。
「やぁ、ハンジ。お仲間連れてティアナに会いに来たのかい?」
「よっ!ユンカー!ご明察だよ、こっちの目付き悪いのはリヴァイ、ティアナに会いに来たんだ。ついでにエドにもね」
「初めまして、ヘンドリック・ユンカーです。ティアナの班長をしています。」
穏やかに手を差し出され、礼儀として握手を交わす。
「リヴァイだ。よろしくたのむ。」
「ごっめんねー!リヴァイはさ、悪いやつじゃないけど壊滅的に愛想がないんだ」
おいおいおい、嘘じゃねえがフォローになってねえ。
ユンカーとやらも若干固まってんぞ。
「ベッカー院長は今不在なんだけどティアナなら談話室にいたはずだから、案内しようか?」
「じゃ、お願いするよ!」