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君がそこにいるならば【進撃の巨人/リヴァイ】

第18章 新天地



隊長兼院長のエドゥアルド・ベッカーは壮年の医師で優しげな物腰の人物だ。

「やあ!エド!久しぶりだね!!」

「そうか?それほどでもないだろう。ちょくちょく見舞いに来てるからな」

驚いてハンジの横顔を見るとバツが悪そうに「そうだった」と穏やかな笑顔で返した。

「その娘がうちで預かるティアナ・ディーツか?」

言われて始めて自己紹介していなかったと慌てて心臓を捧げる敬礼をし、名乗る。

「本日より第3医療隊配属となりました、ティアナ・ディーツと申します。ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします!」

「活きのいい若者だな、こちらも助かる。私はエドゥアルド・ベッカー。ここで部隊長なんぞをやっているが院長と呼ばれることの方が多い。まずは君の直属上司を紹介しよう。」

そばに控えていた三十路程の痩せ型の長身男性が敬礼しながら自己紹介を始める。

「ヘンドリック・ユンカー。君の所属となる、第3医療5班、班長をしている」

「ユンカー班長。よろしくお願いします!」


「さて、自己紹介は終わったな。ユンカー、ここの事を色々とディーツさんを案内してきなさい。」

「了解しました。院長。」


ユンカーとティアナが揃って出ていくと部屋に残るはハンジとエドのみ。

「医療の知識も技術もないと聞いているが、その通りか?」

「うん。そうなんだ。ティアナは今まで一般兵だったから、全くの素人だよ。」

ふむ、とあごひげを弄りながら思案するように空に目を向けるエドゥアルド。

「ここには、できるだけ経験者が欲しかったんだがな」

「いろいろあったんだ、でもティアナはここで頑張ると言ってる。もちろん素人だから育てて欲しいんだけどね。」

「巨人にしか興味が無いはずのお前さんがいうなら仕方ない、いないより人手は多い方がいいからな」

「あと、個人的な頼みになるけど、定期的にティアナの事を報告して欲しい。仕事ぶりや日常も。もしかしたらトラウマが出るかもしれない」

「ハンジ、ここに異例の兵が来ると伝達があった時から思っていたが、どういうことだ?詳しく話して貰おう」

優しげな瞳の奥に険しさが宿り、ハンジはエドゥアルドにこれまでの経緯を紐解くように語り出した。




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