第17章 弱い心を断ち切る
後味の悪い結果ではあったものの、一応解決したのはティアナの気持ちをほんの少しだけ気休めにはなった。
「ティアナ本当にいいの?」
ハンジは一旦は引き下がったが、被害者のティアナも謹慎処分、配置換えという内容に納得はしていない。彼女は何もしてない。
「はい、構いません」
「謹慎処分は兎も角、配置換えだよ?」
「不名誉除隊に比べればなんでもないです」
ハンジもティアナもそれきり黙って何となくハンジの執務室に入るとモブリットや二ファらハンジ班の何人かが、心配そうに待っていたらしい。
「どう、なったの」
「謹慎処分で配置替え」
二ファ含めハンジ班の事情を知る者は驚きの顔で固まっている。
「ハンジ班長、なんでだ??なんでだよ?」
ケイジがポツリと漏らす。
不穏な雰囲気のなか、ティアナが言った「でも、必ずまた戻ってきますから!それまで待ってて下さい!」
空元気のティアナの言葉に答えるように「おう、待ってるから早く帰ってこいよ!」
「たまには顔見せろよ!」
「休みの日には出かけようね!!」
「なんなら、今夜飲みに行くか?!」
昨日の今日で二日酔いの連チャンはきついなあ。とティアナが思っているとモブリットが現実的な答えを出した。
「ティアナは謹慎処分だよ…」
「ノリ悪っ!」
「ムードクラッシャーですね!」
一斉にモブリットはハンジを始めとして攻撃を受けることになる。
「いや、俺はそんな、」
「あーあ、モブリットのせいで台無しだよ!」
暗い空気を打ち壊すように騒ぐハンジの執務室にリヴァイが突然入ってくるまで後、5秒。
「入るぞ」
事後報告な入室にティアナは笑いたくなったがリヴァイの不機嫌な顔の前では吹き出すこともできない。
「おい、ソイツを借りるからな」
うわっと思う間もなく、他の者が異議を唱える間もなく首根っこを掴まれたティアナはズルズルと引き摺られて部屋から出ていく。
彼らが出ていって直ぐにハンジの大笑いが扉を超えて響いていた。
「え、、リヴァイ。何処にいくの?私、謹慎、、」
「すぐそこだ、問題ねえよ」
いつもの場所だった。ここに来るのは当分ないだろう。
「いいか、俺達はここで待つ。待たされるのはきらいだ。とっとと戻ってこい」