第17章 弱い心を断ち切る
「監督不行届、再教育と言うが具体的にどうするのか」
激怒するハンジとは対照的に冷静にエルヴィンは話をすすめる。
言いにくそうにジョゼルは「二度とこんなことにならないように性根を正す」
「はっ、それで何とかなると思ってんならお花畑もいいとこだ」
リヴァイがすかさず悪態をつく。
「ちょっとエルヴィンなんでリヴァイがここに残ってるの?」
ハンジが疑問を口にするとエルヴィンは事も無げに
「暴力を振るった処分を受けたいそうだ」
「何それ、必要ないよな!」
「本人の強い希望でな」
残った班長クラスとエルヴィンは意見を述べ処分をどうするのかを話し合った。
リヴァイの暴力行為については”正当な判断”とみなされ処分なし。
アベリア、カタリナについては、半年の労務刑の後に不名誉除隊。
反省のないトリシャ、実行犯リディク、ヤイマに関しては不名誉除隊、北方での開拓地行きとなった。
自班から、複数の加害者を出したジョゼルは班長を辞任すると述べた。考えを覆すよう説得したがジョゼルの意思は固く辞任は文書が出来次第、団長の判断に委ねられた。
そしてティアナには、騒動を起こしたとして、謹慎処分二ヶ月、処分終了より即時、配置換えとなった。
勿論、ハンジはティアナへの処分について大反対するが、噂の広がりきった兵団内での普段の生活は難しいこと、また復帰した際、他のものが厳しい処分を受けたことで、噂をぶり返すことがあってはならないと諭し渋々ながら受け入れた。
午後になり、それぞれの処分が言い渡された。
ティアナはスンナリと処分を受け入れ、その他のリディク、ヤイマは減刑を嘆願したがリヴァイの放った言葉で黙ってしまった。
トリシャは、厳しい処分を覚悟していたのか、取り立てて騒ぐことはなくティアナを口角を上げニタニタと見つめていた。
アベリア、カタリナは謝罪することと他兵団への移動を願ったが、不名誉除隊処分になれば他兵団への移動も認められない旨伝えると肩を落とし啜り泣いた。
「これだけで済んでよかったな。てめえらには足りねえだろうよ」
リヴァイは鼻で笑った。
ティアナは自分に起こった出来事で兵士が何人もいなくなることに複雑な気持ちだったが、赦す。とまではいかなかった自分に驚いた。