第17章 弱い心を断ち切る
「現場にはトリシャ君達もいたそうだが、これはどういう事なのかな」
「…………」
「トリシャ!もういいでしょ!!これ以上、私達巻き込まないでよ!認めちゃおうよ!」
「ほう、”認めれば何とかなる”話だと言うことかな?」
エルヴィンの碧が光る。
「エルヴィン、こんな茶番は終わらせろ。理由はどうでもいい。要はティアナが気に入らなくてあれこれ言って、それを馬鹿な男が本気にした。だろ、」
「リヴァイ、黙っててくれ」
エルヴィンの冷えた空気がその場を支配する。
「君達にはガッカリだ。口から出るのは常に誰かのせいらしい。だが、現実としてティアナは悪質な噂話に晒され、暴行を受け、強姦されようとした。謝罪ひとつ無い君達には相応の罰を受けてもらうつもりだが、被害者のティアナにも聞かなければならない。」
ビクッとなるティアナだが、これから受ける質問にはちゃんと答えようと心構えをする。
「ティアナ、噂、これまでの暴行、強姦未遂に相違はないか?」
すうっと息を吸ってエルヴィンの瞳をみてティアナは答えた。
「凡そ事実です。」「凡そとは?」
「私が皆さんに懇意にして頂いているのは事実ですがゴマをすったり、ましてや色仕掛けはしていません。それ以外は現実に起こりました。」
「怪我をしたのはその時か?」
「はい。しかし、命に関わることではありませんし、怪我も大したことではありません。」
「彼等にどんな罰を下したい?」
「(それは)…罰と言うよりも二度とこのような事が起こらないよう、望みます」
「では、ケヴィン、ジョゼル。班長としての言い分はあるか」
「監督不行届としか申し上げられません」
「許されるものであれば、再教育を望みます」
「今回の件について私は団長より一任されている。処分についてだが、午後に言い渡す。いいな」
「「了解しました」」
「5人は牢へ、ティアナは自室にて待機、班長クラス及びリヴァイはここにいるように」
ゾロゾロと執務室から出ていき、一気に静かになった執務室でハンジは煮えたぎっていた。
「エルヴィン!彼らはまだ、理解していない、何もだ!」
「ハンジ、俺達の監督不行届だ、普段ならこんなことはしない奴らだ」
「はぁ?で、なんなの?普段は良い奴だから許せって言うのかよ!」