鈴の音が届く距離で2〜王政改革の章〜【進撃の巨人/リヴァイ】
第2章 :再来〜再会と豹変❶
コンコン
(ん?誰だ?)
入口に立っていたモブリットが、静かに扉を開けと…意外な人物が立っていた。
「えっ?!君は…」
その人物に驚き、目を見開く。
「あっ、ちょっと待っ…」
無遠慮に部屋に入る人物を止められず、横を通り過ぎて行く。
部屋の中には他に、エルヴィン・リヴァイ・ハンジ・ミケが居た。
そして4人は一斉に、入って来た人物を凝視する。
「えっ…リン?!…何で…」
ハンジは驚きの声をあげ、リヴァイは無言で目を見開く。
「人払いをしていたはずだが…何故君がここへ?」
エルヴィンも驚いていたが、冷静な声で平静を装う。
『許可は取ってます。』
少女は無表情で他人行儀に言葉を紡ぎ、紙を1枚渡した。
そこにはこのように書かれている。
【この者の全ての権限を許可する】
サインには"ダリス・ザックレー"と"ドット・ピクシス"の名が、連なっている。
「権限の許可書?…何故君がこれを?」
エルヴィンがそう問うが少女は答えず、部屋の奥にいた人物に駆け寄った。
『エレン!!』
「えっ?リン…ねぇ?」
驚くエレンを思いきり抱きしめた。
『エレンを探してたら、アルミンとミカサに会ったの。そしたら評議会で、兵に殴られたって聞いて心配で…。』
「ありがとな…リンねぇ。」
エレンも表情を崩し、少女を抱きしめ返す。
「おい、テメェら…」
それを見たリヴァイは怒りを露わにし、2人に近付こうとするが…ミケに阻止される。
「待て、リヴァイ。」
「おい、ミケ!」
「君達は一体、どういう関係なんだい?」
エルヴィンが静かに問いかける。
エレンは我に返り、慌てて少女を引き剥がし説明した。
「リンねぇは、俺の幼馴染です。血の繋がりはありませんが、姉のような妹のような存在で…」
『妹って何よ!いつだって、お姉ちゃんだったでしょ?』
少女は頬を膨らまし、エレンを睨む。
それは…2年前にも見た事がある、いつもの少女の表情。
今の自分達に見せる表情とは、全く違うものだった。