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【PSYCHO-PASS】名前のない旋律

第2章 常守朱は認識する


 ——昨日、常守がこの組織の配属初日に起きた災難な事件。それは、街頭スキャナーにより色相チェックに引っかかった大倉 信夫(おおくら のぶお)という男が引き起こしたものであった。
 対象、大倉信夫はスキャナーが記録したPSYCHO-PASSによると色はフォレストグリーン。かなりの色相混濁だ。そんな大倉はセラピーを要求したセキュリティードローンに抗い、この街の廃棄区画に逃げ込んでしまった。それに加え大倉は、逃亡の途中で通行人を拉致して人質にしていた。——そのような状況を、同じ立場でもある上司の監視官、眼鏡をかけた宜野座 伸元(ぎのざ のぶちか)に説明を受け、初陣に望んだ……のだ、が。



 ——異例の事態は誰も予測できなかった。



 何があったのか……と言うと、監視官の立場にある常守と同じく、大型拳銃状の装置“ドミネーター”、正式名称『携帯型心理診断・鎮圧執行システム・ドミネーター』を扱い、本来であれば“潜在犯”として隔離させるべきところをただひとつ、許可された社会活動として同じ“犯罪者”を駆り立てる役目を与えられた“人格破綻者”——獣を狩るための“獣の猟犬”。それであって監視官の部下である刑事の“執行官”……の、黒髪でツンツン頭の男。狡噛 慎也(こうがみ しんや)を常守はドミネーターが放つ集中電磁波の光線、対人執行モード、パラライザーの麻酔銃で彼の脊髄を撃ち抜いてしまったのであった。それは誰もが予想外のことであり、イレギュラーなことだった。
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