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【PSYCHO-PASS】名前のない旋律

第7章 沈黙は、語り続ける。





 被害者、山口昌美の部屋では鑑識ドローンが動き回っていた。


「手掛かりは皆無か……」
 部屋の中を捜査していた征陸が、彼女の私物を持ちながらそう言った。同じく捜査をしていた宜野座は「何か繋がりがあるはずだ」と話す。すると、「更に笑えない新情報ー」と公安局のマスコットキャラクター、コミッサちゃんのホロコスをした縢が室内に入ってきた。

「二年生で二人ばかり寮から消えた生徒がいるそうで……実家に問い合わせても帰宅してない」
 完璧に、行方不明っスよ。と、ホロを解除しながら両手で手振りしながら縢は言った。そんな言葉にくっ、と宜野座は悔しがりながら捜査していた机の引き出しを閉めた。縢からの情報を聞いた征陸は「しかし妙な話だな〜」と言葉を続けた。
「校舎も学生寮も、軍事施設並みの厳戒態勢……。ここから犠牲者を連れ出す方法なんてあるのか?」
 と、征陸はベッドに腰掛けた。
「そもそも、藤間幸三郎が3年ぶりに戻ったのだとして、なぜ今になって桜霜学園の生徒ばかりを標的にする?」
 顎に手を当てて考える宜野座。すると、コツコツと床を歩く音が聞こてきたので3人は入り口の方へ顔を向けた。

「藤間にとってこの学園はいわば、古巣です」
 部屋に入ってきたのは六合塚だった。先程までの会話を聞いていたのか、「どこか警備の穴になる抜け道を知っていたのかも」と手振りをしながら彼女はそう意見した。その六合塚の台詞に「有り得ますよね〜」と言う縢は話を続ける。
「この学園、創設100年でしたっけ? 敷地の中、増減築の繰り返しでもうメッチャクチャですから、見取り図とかひどいもんっスよ」
 そんな縢の発言に六合塚は「まさか……」と言葉を述べる。


「殺しの現場もホシの隠れ家も、全部学園の中……ってことはないですか?」
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