第11章 間章 -Interlude-
十九時を過ぎる頃には、亜希の集中力はすっかり切れていた。
「お腹空いた」
「そうだね」
「しょーちゃんも食べる?」
「君が作ってくれるのなら」
「なんで私が作る前提なのよ」
「ここは君の家だからね」
「勝手に入ってきた人が言う?」
結局、二人で簡単な夕食を作ることになった。
亜希が食材を切り、槙島が火を使う。
「意外」
「何が?」
「料理できるんだ」
「僕を何だと思っているんだい?」
「本さえ与えておけば生きていける人」
「君の中の僕は随分便利にできているらしい」
くだらない会話をしながら食事を作る。
向かい合って食べる。
それからまた部屋へ戻る。
特別なことは何もない。
けれど、一人で食べるよりは美味しいと思った。
それを口に出すことはしなかった。