第1章 この気持ち (時透無一郎) *
目を開けるとそこは見覚えのある天井。
動こうとするとズキズキ痛む身体。
『いたたたた…。私なんでここに…?』
「目が覚めたんですね!」
『蟲柱様っ…!!!』
「まだ動いちゃ駄目ですよ。
40°の高熱、栄養失調、睡眠不足で
飛鳥さん1週間近く昏睡状態だったんですよ。
そんな状態で鬼と戦うから…
身体がボロボロでした。」
『…すみません…。』
ボソッ
「冨岡さんに…かなりキツく
言ってしまいましたが、
理由は他にあったんですね…」
『え?何か言いました?』
「いいえ。なんでもないです。
一度冨岡さん呼んできますね。」
パタン…と蟲柱様は出て行った。
『40°の熱かぁ…だから鬼退治に
手こずったのかぁ、、、」
コンコンカチャ…
『師範!!!』
「東雲…目が覚めたんだな。
よかった…」
『師範…私迷惑をかけてしまって…
本当にごめんなさい…」
「いや…無事で良かったよ。
俺も…あのとき外で練習してたの
止めてやれなくてごめん。
そんな身体でよく頑張ったな。」
師範からこんなに温かい言葉を
頂けるなんて、、、
『うわあああああん…』
私は師範の胸の中で子供のように泣いた。
師範の優しさ、自分の弱さ、
霞柱様への気持ち…
いろんな感情がぐちゃぐちゃだった。