第4章 急斜面(伊黒小芭内)*
「東雲!大丈夫か?!」
『はい…私は平気です…!
伊黒さんは大丈夫でしたか?』
「俺は平気だ。
すまない、俺が油断したばかりに…」
『いえ!柱を守るのが私の役目です。
もうこれ以上誰も失いたくないので…』
「…立てるか?」
そう言って伊黒さんは私の腰に
手を回してくれた…そのとき。
『ひゃあぁんっ…』
ビリビリと電流が身体全体を
流れてるような感覚に襲われた。
それと同時に変な声を出してしまった。
「…おい、本当に大丈夫か?」
伊黒さんの手が私の頬に触れる。
…身体が熱い。
触れられた部分がどんどん熱くなってくる
ことに私は恐怖を覚えた。
『いっ…伊黒さぁ……
私身体が熱くて…苦しぃ…です…』
私は暑すぎて隊服を脱ごうとした。
が、それを伊黒さんは止める。
「…あの糞鬼…まさか…」
『なんでっ…止める…んですかぁ…
私ぃ……暑くて…死んじゃいます…』
「…東雲、苦しいと思うが
少し我慢してくれ。
今から蝶屋敷へ向かう。
あと今日はずっと俺の傍にいろ。」
そう言い、伊黒さんは私を横抱きにし
蝶屋敷へと向かって行った。