第4章 急斜面(伊黒小芭内)*
「胡蝶…どうなんだ。」
「伊黒さんが仰る通り、
これは媚薬の症状ですね…
きっと血鬼術でやられてしまったのでしょう」
『胡蝶さぁ…ん…
助けて…くだしゃぃ…
おかしくて…どうかなりそ…』
「…飛鳥さん、苦しいですよね…
でもこればかりは治療薬がないんです…」
「何か方法はないのか?!」
伊黒さんが声を上げる。
「…飛鳥さんは今好きな人いますか?」
『へっ……』
「おい胡蝶、今はそんなこと…」
「いいえ、重要なことです。
結論から言いますと、飛鳥さん、
貴女は目合いをしなければなりません。」
『ま…まぐ……』
私は頭が真っ白になった。
「目合いをしなければ、
ずっと身体は熱く疼いたままです。」
『そん…なぁ……』
私はまだそんな経験なんてない。
しかしこんな状況が続くのなんて
耐えられない…
『…誰…か…相手になってくれる人が
いれば……ぉ願…い…した…いです…』
「東雲、正気か…?!」
伊黒さんが目を見開いて聞いてくる。
『…仕方な…ぃです…
ずっと…こんな…の続いて…たらぁ…
死んじゃいます……』
「…宇髄さんなら…経験豊富なので…」
「誰でもいいなら俺が相手する。」