第4章 急斜面(伊黒小芭内)*
固まる一同。
しかし続けて伊黒が話し出す。
「…生前、煉獄が俺に
言ってきたことがあって。
"もし俺に何かあったときは、
お前に東雲のことをお願いしたい"
と…。
だから俺はその願いを叶えたいんだ。
…駄目か、東雲。」
『…煉獄さんが…伊黒さんに
そんなことを…。
ずっと私のこと…心配して
くれていたんですね。
私がひとりぼっちにならないように…。』
『ーーっ…』
私はそのとき初めて泣いた。
煉獄さんの、暖かさを改めて感じた。
『っ…すみません…私…』
「…いいのよ。辛かったでしょう…」
胡蝶さんの瞳にもうっすら涙が滲んでいた。
『…伊黒さん。
どうぞよろしくお願いします。
全力で頑張ります!』
今度は絶対死なせない。
常にそばにいて命をかけてお守りする。
それが…私の役目だ。