第4章 急斜面(伊黒小芭内)*
『…伊黒さん、、、?』
「…大丈夫か?」
『あ、はい!
すみません、今戻ります!』
「いや…別に無理して
皆のところにいる必要はない。
今は1人の方が気が楽だろう。」
『………』
…驚いた。
普段かなり冷血なこの人が、
こんなことを言ってくれるなんて。
「なんだ?」
『い、いえ…。
…まだ受け入れられないんです、
煉獄さんが亡くなったこと。
だから…涙が出てこないのかな…
本当に良くしてくださいました。
師範であり…本当の家族のような
そんな存在でした。』
「…泣くことだけが
悲しいってわけではない。」
『そう…ですよね。
…ありがとうございます。
私、自分のこと冷血人間って
思ってました。』