第3章 照れかくし(時透無一郎)*
『冨岡さーんっ!!』
「…東雲。」
『あの、私…冨岡さんに
お願いしたいことがあって…』
「…なんだ?」
『私を、冨岡さんの継子に
してください!!
実はいろいろあって
霞柱の継子を辞めたんです。
でも、もっと強くなりたいんです!
稽古も頑張るのでっ…!!
どうかお願いします…』
次の瞬間私の身体はふわっと浮いた。
「…冨岡さん、すみません。
彼女、僕の継子辞めてないんで…
なんか勘違いしてるみたいなので
一度連れて行きます。」
『は…しは…霞柱?!?』
「…師範でしょ。」
霞柱は私を横抱きしたまま
霞のように消えていった。
「…胡蝶、早かったぞ。
すぐ連れてかれた。」
「まあまあ…本当ですね…
彼、のんびりさんかと思ってましたけど…
流石に焦ったんですかねぇ。
…大好きな女の子が、
他の男の継子(モノ)になろうと
してたから…
全く…世話のかかる2人ですねぇ。」