第2章 変わりなんかじゃない(伊黒小芭内) *
『…ごめんなさい。
もうここにはいられません。
帰ります。
本当に…ありがとうございました…!』
小芭内は飛鳥の腕を掴む。
「…そんな格好で外へ出るなんて許さない」
『え…』
風景が変わった。
小芭内が飛鳥の上に馬乗りになっている。
目の前には綺麗な彼の顔。
「…どうだ、怖いだろ?
お前はもう力がない。
男に襲われたら勝てないんだ。
…俺も男だ。
そんな簡単に男を誘うな。」
そして小芭内は口元の包帯を取る。
『ーっ……!』
「驚いただろ?
汚いのは俺だ。お前は汚くない。
見た目も心も綺麗なままだ。」
『………』
飛鳥は彼の口元の傷にそっと
口づけをする。
「!!!」
『…見せてくれてありがとうございます。
でも…全然汚くないですよ…
包帯をとっても綺麗な顔をされてる。
その綺麗な2色の目で見られると
本当に吸い込まれそう…』
と飛鳥は笑って言った。