第2章 変わりなんかじゃない(伊黒小芭内) *
「…東雲…?」
『…伊黒さんっ…!
伊黒さんが…私のこと……
綺麗にしてくれませんか…?』
「……は…?
自分が何言ってるのか分かってるのか?」
『…はい…
でもっ…このままこの身体で
いるのなんて嫌ですっ……』
「…震えてるじゃないか。
もっと自分を大切にした方がいい。
それじゃあ、俺は部屋に行くから。」
『っ…好きなんですっ…!』
小芭内は驚いた表情で飛鳥を見る。
飛鳥は話を続ける。
『…ずっと好きでした。
でも伊黒さんと師匠は本当にお似合いだった…
そして3人の関係性が凄く好きだった…
本当に居心地が良くて、
これを失うのは絶対に嫌だったから
私は気持ちを閉じ込めました…
本当は…ずっとずっと好きだったんですよ…
ずっと、触れたいって思ってました…』
小芭内は黙って飛鳥の話しを聞いている。
『…でも伊黒さんの中には
まだ師範がいる。気持ちも…
そして私は汚れてしまったから
貴方に触れることは許されない。』
飛鳥は小芭内を見て微笑む。
『この気持ちを伝えてしまったからには
もう貴方と会うことはできません。
本当に幸せでした…師範と3人で過ごした時も
…2人での時間も…』