第2章 変わりなんかじゃない(伊黒小芭内) *
すると道中の暗闇に何か倒れている。
恐る恐る近づいてみると…人間だった。
小芭内は慌てて駆け寄る。
「おい、どうしたんだ。大丈夫……」
それは飛鳥だった。
髪や顔はボロボロ、
服は乱れており身体は冷え
完全に憔悴しきっていた。
彼女に何が起こったのか嫌でも分かった。
「…東雲っ……」
『…やっ…いやだ…っ…触らないっで…』
「落ち着け。俺だ…」
小芭内は飛鳥の身体を
ギュッと抱きしめる。
『…伊…黒さん…?』
そして羽織りを飛鳥にかけ、
ひょいっと横抱きにする。
「軽…」
ちゃんと食べてるのかとボソっと言い
「…今は誰にも触れられたくないかもしれんが
少し我慢してくれ。
このまま一人にしておけない。」
ととりあえず自宅へ急ぐ。