第2章 変わりなんかじゃない(伊黒小芭内) *
『…そうだったんですね。
師範らしいです。小さい子大好きでしたから。』
「あいつができなかったこと、
俺が代わりにしてやりたいと思ってな…」
『…師範、きっと喜んでますよ。』
「…だといいけどな…」
伊黒さんはフッと笑った。
『あ、あの!
私明日お休みなんです。
よかったらお食事でもどうですか?』
伊黒さんは驚いた顔をしていた。
(私のバカっ…何誘ってるの!
断られるに決まって…)
「…19時過ぎでいいか?」
『っ…!はいっ…!』
こうして私は伊黒さんと再び会うことになった。
何故積極的に誘ったのか分からない。
ただ…これっきりで
終わりにしたくないと思ってしまったのだ。