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《鬼滅の刃》たくさんの愛を(短編集)

第15章 無口な狼(冨岡義勇)*




「ちょっと、飛鳥ちゃん!
 しっかりしてー!!!」
『ヒカルちゃん〜〜〜ごれんねぇ〜』
「あーもう、こんなときに飲ませるんじゃなかった…!
 飛鳥ちゃん?大丈夫?歩ける?」
飛鳥は酒に飲まれ足元がおぼつかない。
呂律も回らず会話も成立しない。
1人じゃ心配だからと、光が自宅まで送ってくれることになった。
「ねぇ飛鳥ちゃん、危ないからおんぶしてもいい?」
『わーい、おんぶ〜♩』
「…酔っ払いめ!』
光が飛鳥を乗せて歩き始めたときだった。
「東雲…?」
飛鳥を呼ぶ声が。
「…あの、彼女のお知り合いでしょうか?」
「…同僚です。」
「あ、もしかして冨岡さん…?」
「…そうですが…」
「ちょうど良かったです!実は…」

「…ということなんです。」
「そんなことが…
 それでもう早速他の男を捕まえたのか…」
「え?」
「…いえ。
 すみませんが、彼女を僕に任せてくれませんか?」
「…ご迷惑ではないですか?」
「家近いので。」
「では、お願いします…」
2人はそこで別れた。

帰り道、光は義勇が言っていたことが気になっていた。
'早速他の男を捕まえたのか'
「…あの人、私のこと男と勘違いしてた…?」
光は170cm超で手足が長くスラっとした体型、髪の毛はショートヘア、声も落ち着いておりどちらかといえば低い方。
そして女性でも男性でも通るような端麗な顔立ち…
初対面の人からは男性と間違えられることも少なくない。
「なんか、マズイことしちゃったかな…」
光は一度足を止めるも、彼女たちも大人なんだから…とそのまま帰っていった。

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