第14章 恋愛事情2(時透無一郎)*
『うん…』
「じゃあ今度は僕の番です。」
そう言ったとき無一郎は笑っていた。
が、目は全く笑っておらず今まで見たことのない表情に飛鳥は怯える。
『…あ、あの…とりあえずこの体勢…んんんっ?』
飛鳥の話しは途中で途切れた。
そう、無一郎の口によってー…
『んっ…んんんっ…ん…ふぁっ……』
長いキスに息が苦しくなり、飛鳥は口を開ける。
そのとき無一郎の舌がすかさず入って飛鳥の口内を暴れた。
『んんふぁあああ…んっん…ふ…んんん…!』
息が苦しくなり無一郎の身体を押すもピクリとも動かない。
無一郎はキスをしながら飛鳥の身体を起こし、頭の後と腰に手を回し動けないようにする。
そして深いキスを続けた。
数分経ってやっと口が解放されたが、飛鳥の顔は真っ赤になっており、瞳は潤んでいた。
『なんで、こんなこと…っ!』
「こんなことって?
キスくらい恋人同士ならみんなするでしょ。」
飛鳥とは正反対に淡々と答える無一郎。
『でもだからと言ってそんな急にっ…!』
「急にじゃないでしょ?僕だって男だよ?
好きな女性となら色々したいと思うのが普通でしょ?
ずっと我慢してただけ。
凄く大切にしてきたんだ。
絶対に傷つけちゃいけない、守らなきゃって。
でも、そんな僕の気持ちを飛鳥さんは見事に砕いた。
大切にしてきたのに、それが原因でフラれる僕の気持ち、分かる?
僕も言葉に出せば良かったのかな…
とりあえずもうやめます。
大切には思ってるけど我慢はしない。
僕がどれだけ飛鳥さんのことを愛しているかー…
今から身体に直接刻みます。
ちゃんと受け止めてくださいね…?」
『えっ、ちょっと待っ……!!』
再び飛鳥はベッドに押し倒された。