第14章 恋愛事情2(時透無一郎)*
「『………』」
ドクンドクンドクン…
『(ダメ…寝られない…
時透くん、近いよっ…!!
てか、スースー言ってるけどもう寝たの!?
この状況で寝れる訳ないじゃーーーん!!
今のうち布団から出て移動しよう…)』
無一郎を起こさないように飛鳥がベッドから降りようとしたときだった。
『えっ……』
ぐっと強い力で手首を引っ張られそのまま押し倒された。
『と…時透くん…寝ぼけてる…?』
#両手首を押さえつけられ、目の前には無一郎の顔。
そしてその顔にはいつもの笑顔がなく、初めて見る彼の表情だった。
「ねぇ飛鳥さん?」
『へっ?(名前呼び!?)』
「僕と別れたいですか?」
『え?あ、その……』
「…否定しないんですね。
なんで別れたいんですか?」
『…それは、その…』
言葉を濁しなかなか話さない飛鳥に無一郎は苛つき始める。
「炭治郎には話すのに、僕には話せないんですね。」
『…炭治郎くんから何か聞いた…?』
「まぁ色々と。
言っておきますけど僕は別れる気なんて更々ありませんからね。」
『えっ!?』
「当たり前です。
なんで好きなのに別れないといけないんですか?」
『いや、でもね、私なんか時透くんに全然合ってないの…
付き合ってから分かったことなんだけど、時透くん凄くかっこよくて社内でもモテモテなんだよ?
私より可愛い子だって沢山いるじゃん!
歳だって私4つも上のアラサーだしさ…
それに見た目だって…ブスだしデブだし…
時透くんに合ってるところが1つもないの。
だから、一緒にいると惨めというか…
時透くんは凄く優しいからその優しさに甘えちゃってた…
そもそも本当は付き合うべきじゃなかったんだよ…
ごめんね、、、』
無一郎は黙ったまま飛鳥の話しを聞いていた。
「…話しは終わりですか?」