第14章 恋愛事情2(時透無一郎)*
『あの、シャワーかりてもいいかな…?』
「どうぞ。
着替えないと思うのでこのバスローブ使ってください。」
『あ、ありがとう…』
浴室に向かう途中、飛鳥は無一郎の雰囲気について考えていた。
いつもと全然違う…優しいのだけど、目は笑っていないし心がない感じがしたのだ。
まぁ相手は酔っ払いだったし、連れて帰るときも重かったから苛ついているんだろうな、と思うことに。
あとでもう一度キチンと謝ろう、と心に決めた。
その頃無一郎はー…
自身の気持ちを、想いを、飛鳥の身体に叩き込んでやろう…
冷淡な顔で飛鳥を待っていた。
『(時透くんのバスローブ姿、色っぽかったなぁ…
髪の毛も濡れてていい感じに…って私何変なこと考えてるのよ!
時透くんとそういうことするなんてあり得ないのに…
はぁ…いっそのこと向こうからフってくれないかなぁ…)』
飛鳥はシャワーを浴びながら悶々と考えていたー…
ガチャ…
『あ、あのっ…シャワーありがとう…ってあれ…』
飛鳥がシャワーから出ると無一郎はベッドに寄っかかって寝ていた。
『…今日も仕事大変そうだったし、疲れてるよね…』
飛鳥は無一郎の整った顔に見入ってしまった。
『本当に綺麗な顔してる…』
唇にそっと触れる。
『なんで、時透くんは、私なんかと付き合ってるのー…?』
そのときパチッと無一郎の目が開いた。
『えっ……』
体勢的にあまり良くないため飛鳥は焦る。
『いや、その、こんなところで寝てしまったら風邪引いちゃうからどうしようかなって思って…』
「…ありがとうございます。
それじゃあ一緒にベッドで寝ましょう。」
『え!私は床で大丈夫!!』
「ダメですよ。身体冷えてしまいます。
僕のことを考えてくれてるのなら一緒に寝てください。」
『う……分かった…』
飛鳥は無一郎に誘われるがままベッドに入った。