第1章 この気持ち (時透無一郎) *
半年後…
『霞柱様!!好きです!大好きです!
どうかこの私と恋仲になってください!』
「…また君?いい加減しつこいよ。」
『だから飛鳥ですってば!
いい加減名前で呼んでくださいよ!』
「…僕、興味ない人間のこと
名前で呼ぶ趣味ないんだよね。
そんなことより君もっと訓練しなよ。
そんなんだからいつまでも柱になれないんだよ。
僕から冨岡さんに頼んどいてあげようか?」
『………』
これで10連敗。全然駄目だ。
相手にすらしてもらえない。
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この半年間、いろいろあった。
彼が柱になったころ、彼は記憶喪失で
過去の記憶がなかった。
そのせいで記憶力も悪く、
1〜2度話しただけではすぐに忘れてしまう。
だから私は訓練の合間に何度も
彼のところに足を運んだ。
私のことを、覚えてもらうために。
知ってもらうために。
しかしその2ヶ月後、
彼は大怪我をしながらも上弦の鬼を倒した。
その際過去の記憶を取り戻したのだ。
少しずつ彼の記憶力も安定してきており
ようやく私の顔を覚えてくれたのだ。
とある日私は意を決して彼に告白した。
「無理だよ。」
もちろん私は諦めることなんてできず…
月に2〜3度彼に愛の告白をしている。
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それで今に至るってわけ。
今回で10回目。
自分でもしつこいって分かってるし
気持ち悪いって思うよ、
でも…あんなやんわりした振られ方じゃ
諦めがつかないんだもん。。