第14章 恋愛事情2(時透無一郎)*
『…ねぇ、炭治郎くん…』
背中から飛鳥の声がする。
寝ぼけてるのだろうかー…
飛鳥の口から出たのが他の男の名前で無一郎は苛つく。
が、黙って様子を伺うことに。
『私、時透くんと不釣り合いだよね?
付き合うまでは全然意識もしてなかったし、他の男性社員と変わらなかったの…
でも付き合ってみたら凄くかっこよく見えちゃって…
しかも多くの女子社員が時透くんのこと話しててモテるみたいでさ。
付き合ってることみんな知らないから今後凄い可愛い子に告白されるかもしれないし、そうなったら絶対私フラれるでしょう?
付き合って半年経つのに手を繋ぐまでしかしないし泊まりデートもないし何より名前を呼んでくれない…
それがもう答えだよね?
なんで私なんか選んでくれたのか未だに理解出来ないしこのまま終わらせる方がいいのかな…
あ、でも元カレとはしっかり話しもせずだったから時透くんとはちゃんと話しをして終わらせたいな…
これ以上好きになる前に終わらせよ……すー…』
無一郎は自分の自宅に飛鳥を連れて行くことを迷っていた。
それは、自分を抑えることが出来なくなりそうだったから。
そう、彼は飛鳥のことが本当に好きなのだ。
だから大切にしたい、嫌われたくないあまりにデートは常に日帰り、2人きりになるところには行かない、キス以上はしないー…
このどれか1つでもしてしまうと理性を保てず飛鳥を傷つけてしまいそうだったから。
でも自分の悩んで出した結果の行動が結果的に飛鳥を悩ませており、離れる選択まで出していたなんて…
無一郎は覚悟を決めた。
「…僕は絶対別れないよ。
どれだけ飛鳥さんのことを大切に思っているかちゃんと教えてあげる。」