第13章 恋愛事情(時透無一郎)
時刻は19:30。
みんな今日残業だったのかな、と申し訳ない気持ちになる飛鳥。
『…冨岡さんやしのぶちゃんに凄く迷惑かけちゃったし明日からはまた今まで通り頑張ろう。』
そう思ったときだった。
「おっ、飛鳥!」
『…!なんで……!』
名前を呼ばれ振り向くとそこには因縁の相手…裕司の姿があった。
裕司は飛鳥がどんな思いでいるかも知らず近づいてきた。
「あのあとすぐ打ち合わせ打ち切りになって会社戻ったら上司に二度とあの会社には行くなってすっげー怒られてさぁ…
俺を行かせたのは上司なのに酷くね?」
『………(解雇になった会社なんだから当たり前でしょ)』
「それより飛鳥、暫く会わないうちに綺麗になったな!
彼氏でもできた?」
『…貴方に関係ないです。』
「なんだよ、冷たいな〜
あ、今から家で飲み直すんだけど飛鳥も来いよ!」
『(うわ、酒臭っ…)いや、明日仕事なので。』
「いーじゃねぇか、久々の再会だしちょっと付き合えって〜」
強引に飛鳥の腕を引っぱる。
『ちょっ、離し……』
「あのときデブは抱けなかったけど、今のお前なら綺麗になったしデブでも抱いてやるぜ?
色も白いし胸もデカイし…彼女いるけどセフレにならしてやるよ。
俺のこと大好きだっただろ?」
こいつ…本当に最低だ……
なんでこんな最低クソ野郎のことなんか好きになったんだろう…
悔しくて涙が溢れた。
「泣くなよ〜あとで沢山鳴してやるから。」
腕を振りほどきたいのに力が強くできない。
やばい、このままじゃ本当にこいつの家に行くことになるー…
そんなの絶っっっ対に
『嫌っ…!!!』
「僕の彼女に何してるんですか?」
後ろから聞いたことのある声がする。
ゆっくり後ろを振り返るとそこにいたのはー…