第13章 恋愛事情(時透無一郎)
あのときのことを思い出しただけでも吐き気がするのに当事者に会ってしまったときはもっと最悪だ。
昔の出来事がフラッシュバックしてきたのだ。
『せっかく忘れてきていたのに…』
飛鳥は暫く横になった。
数時間後ー…
目が覚めたときには既に夕方になっていた。
『やだ、私5時間近くも寝ちゃってた…』
軽く身なりを整え仮眠室を後にした。
『…今日は久しぶりに飲んでいこうかな。』
飛鳥は今日あった出来事を忘れるためバーに寄ることにした。
カランカラン…
『マスターお久しぶりです!』
「あれ飛鳥さん。
久しぶりですね…って顔色良くないですが大丈夫ですか?」
『…今日会社で凄く嫌なことかあって…
忘れたくて来ました…』
「なるほど…
ゆっくりしていってください。
度数の強いお酒は出しませんけどね。」
『ふふ、マスターやっぱり優しい。
ありがとうございます!』
ここのマスターは60代の年配の人がやっているのだが、とても良い方で雰囲気の良いバーなので初めて来たときから飛鳥のお気に入りとなったのだ。
『マスターありがとうございました!
色々聞いてもらえて気持ちが楽になりました。』
「またいつでも来てください。
お待ちしてますよ。」
2時間程バーで過ごし、会計を済ましたあと自宅へと向かった。