第12章 光炎万丈(煉獄杏寿郎)*
「『………』」
沈黙が続く中先に言葉を発したのは杏寿郎だった。
「…あの人と結婚するのか?」
『結婚…!?
いや、まだ分からないよ…
今日初めて会ったんだから…』
数ヶ月ぶりに杏寿郎から声を掛けてもらえて内心嬉しい飛鳥。
だが飛鳥のその一言で杏寿郎の声色が変わった。
「今日初めて会った…?
初対面の男を家にあげたってことか?」
急に雰囲気が変わった杏寿郎に驚くも平然を装う飛鳥。
『い、いけない…!?
彼、お腹空いてたから食事用意しただけだよ!』
「外で済ませることもできただろう。」
『でももう家の近くに来てたから…』
「…独身の男女が二人っきりで同じ部屋にいるなんて…
何かあったらどうするんだ。」
『何かって…大袈裟だよ!
私なんかに…何もある訳ないじゃん!
もし仮にあったとしても大丈夫だよ、私力あるし……』
「今のお前じゃ男になんて簡単に負けるぞ。」
『っ…!
なんなの、そんなつっかかってきて…
私が何をしようが杏寿郎には関係ないでしょ!』
「…そうだな。」
『もういい?
私も暇じゃないんだから…!
…任務お疲れ様。それじゃ…!?』
杏寿郎は黙ったまま飛鳥の手を引っ張り自宅に連れ込む。