第12章 光炎万丈(煉獄杏寿郎)*
『は…はじめまして…
東雲飛鳥です…』
「はじめまして、日下部勇です。
聞いていた通り素敵な女性ですね。」
『いえいえ…とんでもないです。
顔に大きな傷もあって醜い限りです…』
「何を仰っているんですか。
叔母から色々お話は伺ってますが、今まで多くの人々を救ってきたんでしょう。
その傷はその証ですから何も恥じることはありませんよ。」
飛鳥は予想外の温かい言葉に動揺する。
勇は飛鳥のことを優しく見守っている。
『…いや…そんなこと……』
途中で言葉が止まってしまう。
「…えっ!?
ちょっと、飛鳥さん!?」
涙をポロポロ溢す飛鳥。
その涙は止まることなく溢れる一方だ。
「と、とりあえずここ出て外に行きましょう!!」
勇は飛鳥の手を引いて喫茶店を出ることに。
「あの…すみません…
僕、何か無責任なこと言ってしまいましたかね…?」
『…いえ…
鬼殺隊に入ってから温かい言葉なんて掛けてもらったことなかったので…嬉しくて…
こちらこそ、すみませんでした…』
「そうだったんですね…
実は、僕の兄も鬼殺隊だったんです。
一回り離れていたので、凄く可愛がってくれました。
僕は兄のことが大好きで…
でも、兄は鬼に殺されました。」
『…そう…だったんですね…』