第11章 蛇と蛙(伊黒小芭内)*
『………』
そこには着物を身につけた綺麗な長い髪の女性が立っていた。
口元はスカーフで隠されていたが離れていても容姿端麗だというのが分かる。
「東雲っ…!!」
その女性は飛鳥に駆け寄り身体を抱いた。
『えっ…あ、あの……っぁあっ!?』
女性に触れられた瞬間身体中に電流が流れたかのようにビリビリし出した。
そして先程淫夢に触られた以上の強い刺激が飛鳥を襲ったのだ。
「おい、東雲!大丈夫か!?
しっかりしろっ…!」
『あっやっ…ゃめ、、触らない…でっ…』
「もしかして…君の想い人って…この女性なの?」
「…あ゛…?」
その女性は物凄い低い声を発し淫夢を睨む。
「そっか、そうだったんだ…
この血鬼術は好いてる人に触れられるとどんどん刺激が強くなってくんだ。
そして、その人に抱いてもらえないとそれは消えない。
もちろん他の人でもいいけど、一時的に落ち着くだけでまたすぐに再発してしまうんだ。」
淫夢の身体は消え、顔だけになった。