第10章 赤いキク(時透無一郎)＊

「…最強日柱には敵わないな。」
力なく無一郎が微笑む。
「飛鳥…僕は本当に最低なことをした。
　飛鳥のことが好きなあまりにこんなことして…
　許されることじゃない。
　…それに、無理矢理奪って傷つけて…本当に最低だ。
　ごめん、、、」
飛鳥は首を横に振る。

「…こんな酷いことして…もう飛鳥の傍にはいられない。
　本当に、ごめん…」
その場を去ろうとする無一郎を飛鳥は引き止める。
『…時透くん…私、初めてが時透くんで良かったよ。
　無理矢理だったけど…どことなく優しさを感じた…』
「………」
『ねぇ、凄く我儘だけど…責任とってくれない？』
「え…？」
『私の初めてを奪った責任。』
そう言ってクスリと笑う飛鳥。