第10章 赤いキク(時透無一郎)＊

「飛鳥も苦しいだろうし…
　ちゃんと気持ちよくしてあげるから僕に任せてね」
飛鳥の服に手を掛ける無一郎。
『…っ！…何…するのっ……』
「気持ちよくなることだよー…
　僕より年上なんだから分かるでしょ？
　初めてなわけじゃないんだし。」
『………』
「え…もしかして初めてなの？」
『…だったら何…？　
　この年にもなって…って…思ってるんでしょ…
　もうやめてよ……！』
顔は真っ赤、涙目の飛鳥。
無一郎は思わず唾を飲む。

「…そんなこと思ってない。
　むしろ凄く嬉しいよ、好きな人の初めて貰えるなんて…
　大丈夫、優しくするから。」
『やっ…やめてくれない…のっ……？』
「やめる訳ないじゃん。
　僕も我慢できないし、飛鳥もそのままじゃ苦しいでしょ」
そう言ってニコっと笑う無一郎。