第10章 赤いキク(時透無一郎)*
「『………』」
気まずい雰囲気。
無一郎は飛鳥の手を離さない。
飛鳥は自分の気持ちに気付いたため、不安で仕方ない。
(1年も待たせておいて他の子と恋仲になるな、なんてとても言える立場じゃないよね…
私…きっとフラれちゃうよね…)
「飛鳥?着いたよ。」
『あっ、ごめん!お邪魔します…』
「懐かしいでしょ?」
『うん…鬼殺隊の頃よくお邪魔させてもらったよね…』
「お茶入れてくるから居間で待っててくれる?」
『分かった!』
飛鳥は普通に接してくれる無一郎に安心していた。
しかし、彼はそうではなかったのだー…