第10章 赤いキク(時透無一郎)*
伊黒邸からの帰り道。
飛鳥は見てしまったのだー…
「無一郎さん、好きです…」
告白をされている彼を。
(凄く綺麗な人ー、、、)
胸に何か熱いものを感じながらその場をあとにする飛鳥。
しばらく歩いていると誰かにぶつかった。
「いってぇなァ…」
『す、すみませんっ…』
「東雲?お前…泣いてんのかァ?」
実弥に会った。
そして彼に言われた初めて気付いたー…
(私…泣いてるんだ…)
その後も涙は止まることなくどんどん溢れてくる。
「おい、東雲!どうしたんだよ…!」
焦る実弥をよそに飛鳥は静かに泣いた。