第8章 キレイナモノ(時透無一郎)*
それから30分程経っただろうか。
飛鳥はなんとか移動できたものの、這って行ったため身につけてる衣類は汚れ破れてしまっているところもある。
『…はぁ、寒い、、、』
真冬ではないが雨に濡れてしまったため身体は冷え切っている。
本当にこのまま助けが来ないと鬼に喰われて死ぬか凍え死ぬかのどちらかだ。
『…鬼に喰われるならこのまま死んだ方が…』
「おい!お前どうしたんだよ!」
この声は…
『…不死川さん、、、?』
「東雲?お前こんなところで…
ってその格好…!
鬼に襲われたのかァ!?」
『いや…お墓参りの帰りに足を滑らせて
落ちてしまって……』
「…なんだァそういうことか。
屋敷まで送ってってやるから背中乗ってけ。
時透の屋敷…いや、お前怪我酷いし
今日は胡蝶んとこにいろ。
俺から時透には言っとくからよォ。」
『…すみません。
ありがとうございます…』
飛鳥は実弥に甘えることにした。