第7章 きっかけ(冨岡義勇)
『…あれ、、、なんで…』
帰り道…飛鳥の目からは涙が。
止まることを知らないそれはどんどん溢れてくる。
"そっか、私義勇さんのこと
好きになってたんだ…"
話しがあるというのももしかして…と少し期待していた。
だが現実は残酷。
『うっ…ぐす……』
飛鳥はその場で静かに泣いた。
翌日、飛鳥は学校を休んだ。
義勇にも連絡し、金輪際会わないことを伝えた。
すぐに義勇から電話があったが、出ることはなかった。
そしてお昼頃錆兎から電話があった。
『…もしもし。』
「おい飛鳥!兄貴から話し聞いたけど
何があったんだよ?
常に冷静な兄貴がすげー焦ってたぞ…」
『錆兎…あのね、私、
義勇さんのこと好きになってた』
「え?」
『でも…凄く綺麗な、お似合いの人がいて
私全然敵わなくてさ。
しかも、付き合ってるみたいなの…
私何も知らなくて呼び出しされて
勝手に舞い上がって…ほんと恥ずかしい。
義勇さんみたいな素敵な人が
私のこと好きになるわけないのにね…』
「…飛鳥、その人って胡蝶…」
『だからもうやめるの。
私、もう会えないから、
錆兎から義勇さんに伝えてくれる?
今までありがとうございましたって…
凄く楽しくて幸せな時間だった。』
「おい、ちょっと待て…!」
そのまま飛鳥は電話を切った。