第7章 きっかけ(冨岡義勇)
「ねぇ、あのかっこいい人誰!?」
次の日の放課後、正門のところでザワザワしている。
「おい、飛鳥!兄貴来てるぞ!
行かなくていいのか?」
『そうなんだけどっ…』
「わー、周り人いっぱいじゃん!」
『梅…!』
「昨日義勇さんも帰ったから
何かあるのかなって思ってたんだけど
やっぱりそーゆうことね!
いやー、かっこいいから目立つねぇ…」
『まだそういうのじゃないよ!
錆兎のお兄さんだったし…!』
「え、そうなのっ!!
でも学校まで来てくれるってことは
脈ありじゃん??頑張ってよ!
いいじゃん、義勇さん優しいし
大人だしかっこいいし!」
そう言って背中をバンバン叩く梅。
「おら、あんま待たせんなよ!」
「早く行っておいでっ!!」
2人に背中を押され飛鳥は義勇のところへ。
『ぎ…義勇さんっ…
お待たせしてすみません…!』
「全然。
こっちこそ昨日の今日で悪いな。」
さりげなく飛鳥の荷物を持つ義勇。
『え……』
「教科書とか入ってて重いだろ?
ほら、行くぞ。」
ドキッ……
飛鳥は胸の奥で何か熱いものを感じた。
『あ、ありがとうございますっ…!』