第6章 傷口に砂糖を(伊黒小芭内)*
『な…なんですか?!
どいてくださいっ…!!』
「…さっきから好き勝手言ってるけど
俺別れる気ないから。」
『私はもう無理ですから…!』
「素直じゃないな…」
そう言って笑う小芭内。
飛鳥に初めて見せる笑顔だった。
だがその目は全然笑っていない。
怖い…
飛鳥は恐怖でいっぱいだった。
両手首を握られ彼女に馬乗りになる小芭内。
「…俺が怖い?
そんな涙目でガタガタ震えて…
煽ってるようにしか見えないんだけど。」
『は…離してください…』
「俺が今何を言っても信じないだろ?
それなら、無理矢理にでも
分かってもらうしかない。」
『なにす……んぅっ!?』
飛鳥は言葉を遮られた…小芭内の唇によって。