第6章 傷口に砂糖を(伊黒小芭内)*
「…お前、あの日甘露寺と俺が
話しているのを見たのか…」
『はい…甘露寺さん凄く可愛いし
先輩と凄くお似合いでした!
それを見てから私は先輩の隣に
いてはいけないって思うように
なったんです。』
「…だから俺と別れるというのか。」
『…2人並んでるのを見たら…
無理だなって思いますよ…
見なかったことにして
付き合っていくなんて惨めで…
私にはできません…』
「お前…」
『伊黒先輩、私の名前知ってますか?』
「…は?」
『私の好きな食べ物知ってますか?
私の趣味は?特技は?
…私がどれだけ先輩のこと好きか…
分かりますか…っ…?』
「ーっ、、、!」
小芭内は飛鳥の顔を見る。
彼女の目からは次から次へと涙が溢れて止まらない。
ずっと繋いでいたものが弾けたかのように彼女の言葉は止まらない。