第6章 傷口に砂糖を(伊黒小芭内)*
ガチャ…
「…どうぞ。」
『お邪魔します…』
(ちょっと待って…
制服と違う雰囲気の先輩…
カッコよすぎるんだけど…!)
暫く無言が続いたが先に声を発したのは…
「…俺たち、別れてたのか?」
小芭内だった。
彼は真剣な顔で飛鳥に聞く。
「正直納得はしていない。
理由も聞いてないし、
ちゃんとした別れ話もしていない…」
『あの…その件については
本当にごめんなさい…
今日は、ちゃんと別れ話をしようと
思って来ました…』
「…そうか。
俺のことが嫌いになったか?」
『違います!!!ただ、、、
私と先輩は不釣り合いです…』
「…それは誰が言ったんだ?」
『いや…私が思ったことです。』
『先輩はカッコよすぎです。
凄くモテます。
なのに私なんかと付き合ってくれた…
その理由は単なる女避けですよね。
それでも…嬉しかった。
デートというデートはしたこと
なかったけど
一緒に帰ることが本当に幸せだった。
私は、たくさん先輩に気持ちを
伝えてきました。
今度は先輩の番です…
甘露寺さんと…幸せになってください。』