第6章 傷口に砂糖を(伊黒小芭内)*
「ねぇ飛鳥…本当にいいの?
伊黒先輩のこと好きなんでしょ…?
このまま別れ話でいいの?」
『大好きだよ…!
でもこのまま付き合わせたくない。
先輩には好きな人がいるから…
幸せになってもらいたいの。
少しの間だったけど幸せだった…』
「飛鳥…」
『今日はね、先輩の家に招待
されたんだよー
別れ話で行くのはなんとも
言えないけどね…』
「え、家…って大丈夫?」
『大丈夫だよ!住所送ってくれたし!』
「いや、そう意味じゃなくて…!」
『あ、じゃあそろそろ行くね!
カナヲ、また明日ね!』
「気をつけてね…」
『えーと…この辺なんだけど…
あ、ここかな…?』
伊黒と書いてある部屋を見つける。
今になって凄く緊張してきた飛鳥…
逃げたい…けど今日は…ちゃんとするって決めたんだ…!
飛鳥は心臓をバクバクさせながらインターホンを押す。