第6章 傷口に砂糖を(伊黒小芭内)*
「冨岡…あいつのことが好きなのか?」
「…さあな。少なくとも
大切に、思ってはいるけどな。
とにかく俺は伝えたからな。
そのまま自然消滅にするなり
きちんと話しをするなりお前の好きにしろ。
じゃあな。」
「………」
小芭内は義勇の背中を見ることしかできなかった。
『しのぶ先生…
家まで送ってくださって
ありがとうございました…!
ご迷惑をお掛けしました…』
「いえいえ。
飛鳥さんは貧血になりやすい
みたいなのでしっかり栄養を摂って
ゆっくり休んでくださいね。
それから冨岡くんが心配していたので
連絡してあげてくださいね。
彼が保健室まで運んできてくれたので。」
『え!義勇がですか…分かりました!
ありがとうございます。』
「…あと、自分の思ってることは
ちゃんと言葉にしないと
相手に伝わりませんよ。
言葉足らずでお互いすれ違ってしまう
ということもありますので…
まぁ飛鳥さんなら大丈夫だと
思いますが。」
『…しのぶ先生…?』
「私ったら…余計なことでしたね。
ごめんなさい。忘れてね。
それではまた明日。」
『はい…さようなら。』
飛鳥はしのぶの言ったことが気になるも特に追及はせず、義勇にお礼の連絡をするのだった。