第6章 傷口に砂糖を(伊黒小芭内)*
「胡蝶先生、いるかー?」
「あらあら冨岡くん…え、ちょっと
びっしょりじゃないですか…
あらこの方は2年生の…
一体何があったんですか…」
「とりあえずこいつを頼む。
多分貧血だと思うが。」
「顔色が頗る悪いですね…
彼女は暫く保健室で休ませます。
帰りはどうしますか?
私が送っていきましょうか?」
「…あぁ。
俺は今から用事あるから頼む。」
「分かりました。
とりあえずあなたは着替えなさい。
風邪ひきますよ。
あと…教師に対しては敬語で
話しなさい。」
「…分かりました。」
「…伊黒くん!」
「…何だ?」
「あのっ…私伊黒くんのこと好きです!」
「…付き合ってる奴いるから。」
「2年生の東雲さんだよね?
別れたんじゃないの…?」
「?いや…別れてないが。」
「でも、本人が言ってたよ…
別れたって。」
「………」