第5章 雨のち晴れ(時透無一郎)
「お、時透と東雲じゃねェか。
…どうしたんだ、お前…
おんぶなんかしてもらって…」
『あ、不死川…実は…』
「不死川、悪いな。
ちょっと急いでるんだ。」
「お、おぉ…邪魔して悪かった。
じゃあな!」
『また明日ね!
来週ご飯作りに行くからっ…』
無一郎はずっと無言だった。
…無一郎の背中、こんなに
広かったんだな…。
私はそっと頬をくっつけた。
ー…今だけなら…いいよね。
そして家の前に着いた。
『無一郎…ありがとう…』
彼は私を降すことなくそのまま
彼の家へ向かった。
『え!ちょっと…』
荒々しくドアを開け、
自室まで私を連れて行く。
そして私はベッドに倒された。