第27章 これは実習希望調査票
『カリムっ!!吐け!』
『医師をここへ!すぐにだ!!』
カリムの従者になって日も浅いころ、カリムに毒が盛られたことがあった。何日も目覚めなかった。
そしてそれは、1度では終わらなかった。
『ぐっ……カハッ……』
『ジャミル!!!』
ジャミルも毒味係になったあと、毒に当たったことがある。やはり、何日も目覚めなかった。
そのたびに思ってきた。
怖い。
近しい人が苦しみ、死ぬかもしれない恐怖。
次は自分が毒を食むかもしれないという怯え。
誰が毒を入れたのか、協力したのかわからない故の猜疑心。
……逃げたい。
ここから逃げたい。
それから……
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