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【ツイステ】ねえ、そばにいて

第13章 まどろみのはばたき


あれから1年ちょっと。
ラギー君がいない時に会うとパシられていたが、しばらくして、私のユニーク魔法を知られてからは、週一、植物園で、彼が誰にも見つからず過ごせるよう協力する見張り番になった。

そのはずが、気付けば今は、見張りすることはほとんどなく、一緒にこの時間を好きに過ごすことを許されていた。
王族様の心境は、私にはさっぱりわからない。

ただ。









今日もユニーク魔法で周りを確認。さらに人が来ないよう霧の魔法をかける。
横でレオナ先輩も何やら魔法をかけている。何だかは教えてくれないが、きっと人払いの魔法。

「お前、霧の魔法の腕上げたか」

「お陰様で、前にレオナ先輩に教えてもらったコツが、しっくりきました」

「ハッ。そうかよ」

特にやることは決まっていない。何か食べたり、昼寝したり、課題をこなしたり、お互い気が向けば話したりする。本当にたまにだけれど、レオナが魔法を教えてくれることもある。
とはいえ、根本は弱みを握られた者と弱みを握った者の関係に変わりはない。








ただ。
偶然の経緯だが、ここでは自分を偽らなくていい。私には縁のない学園生活だと思っていた、自然体で学友と過ごす時間。
学友なんて言えばレオナは即否定するだろう。この関係はレオナの気まぐれでできた薄氷のような脆いものだ。それでも。

得難い貴重な時間だと思っている。
だから、こればかりは、ジャミルにだって詳しくは教えられないのだ。
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